リーダーシップに関するお勧めの本の紹介。
全編を通じて、1つの物語になっている。
就職先が決まるも、いきなり9人もの部下をもつこととなる学生テッド。(まぁこの辺りは日本では普通あり得ず、突っ込みどころだが…)人の扱い方を案じたテッドは、偉大なるニューマン教授に教えを請うのだが、教授に連れていかれた先は教室ではなく牧場。
面食らうテッドに教授は、「羊飼いの知恵」を根気よく教えていく。
・羊の群れを目的地に向かわせるにはどうすればよいか?
・羊と信頼関係を築くにはどうすればよいか?
・どうしたら羊が安心して育つ環境をつくることができるか?
・目的から逸脱した羊をどうのように扱えばよいか?
・羊や牧場を放置しておくとどうなるか?
・羊飼いの「杖」と「棍棒」の本当の使い方とは何か?
・羊飼いとして最も大切なものとは何か?
羊の飼育は、何と8千年(!)も前からされていたという。つまり羊飼いの知恵とは、長きにわたり培われてきた知恵。
数百匹もの羊を導く羊飼いの姿は、今日、組織を率いるリーダーと重なる。今も昔も、リーダーたる本質は変わらないということ。
たかが羊と思うなかれ。偉大なリーダーシップの神髄は、実は羊飼いの知恵の中にあった。
本来リーダーシップというものは、教科書から教わるものではなく、人から人へ継承されていくものなんだろう。(それを書籍で教わるのが皮肉ではあるが)そんなことにも気づかされる。
明快に分かりやすいこの本は、最後にちょっぴりと感動も味わえる物語としての要素もあり、読み手を飽きさせない。
タイトルどおり、部下をもった人にはお勧めの一冊。